※当サイトはプロモーションが含まれています。

エンジニアの知恵袋

フランジ用ボルトには何が使われますか?

こんにちは。ハジイチです。

フランジ継手は適切なガスケットを選び、ボルト・ナットによってゆるまないよう、しっかり締め付けることによって機能を果たすことになります。

フランジ用ボルトは、フランジ規格で決められているので以下にまとめました。

 

ボルト形状と材質による特徴

ボルト形状には、スタッドボルト(植込みボルト)マシンボルト(六角ボルト)があります。

スタッドボルト(植込みボルト)

全長にわたってねじが切られていて両端にナットをつけています。

材質は高温用合金鋼(Cr-Mo鋼)かステンレス鋼、ナットはS45C(炭素鋼)で、合金スタッドボルトとも呼ばれています。

高温・高圧配管の場合、高温クリープに耐え、応力緩和の現象などが起きないことが必要で、これはマシンボルトでは無理です。

その代役が,合金製のスタッドボルトです。20kg/cm²以上のフランジのボルトは、スタッドを用います。

スタッドボルト

ボルト材は、400℃以下は SNB 7(1Cr-0.2 Mo)、 400~550℃はSNB 16 (1 Cr-0.6Mo-0.3V)、550°C以上はSUS 304 などが用いられます。

ナットは550°CまではS 45 C、550℃以上はSUS 304 です。JIS G 4107 「高温用合金ボルト材」が使われます。

ねじ精度は、ボルトは2A級,ナットは2B級で市販されています。JPI-7S-15の付属書IIではにボルトとナットの組合わせを記載しています。

マシンボルト(六角ボルト)

頭付きボルトともいう。材質はSS 400 が多く、圧力は JIS 10K以下、JPI クラス150、300のフランジに使用されます。

温度範囲は260℃以下です。ただし、KHK S 0302「自主基準」ではSS 400に対して

  • 流体温度 0℃未満または225℃を超える配管には使わないこと
  • 設計圧力16kgf/cm²を超える耐圧部分には使わないこと
  • 毒性ガスの輸送配管には使わないこと

という制限を設けています。

マシンボルト

 

SS 400のボルトに対しては、ナット材も SS 400 です。ボルト・ナットの仕上げ程度は黒皮または中級程度、ねじ精度は2級または3級を使います。配管用ボルトの中ではもっとも強度が低く、締めすぎるとボルト材が降伏して伸びることがあります。

JIS B 1180「六角ボルト」, 1181 「六角ナット」に規定されています。市販品では、ナット形状は1種です。

JPI-7S-15 「石油工業用鍛鋼製フランジ」では、クラス300以下に対しては両ボルトの使用を認めていますがクラス400以上に対してはスタッドボルトのみとなっています。

ハジイチ
クラスが高いところにマシンボルト(頭付き)を使用すると頭の付け根に応力集中するので危険ですね。

ネジの種類

一般的にJPI系のフランジには、ユニファイねじ(JIS B 0206)

JIS系のフランジには、メートルねじ(JIS B0205)

が使用されます。

JPI規格は、ASME/ANSI B16.5および47を踏襲したため、もともとはユニファイねじでしたが、近年になって汎用性のあるメートルねじも規格へ導入しました。

しかし、いずれのねじもねじ山に制限を設けています。

ユニファイねじの場合、ねじの呼びが1 1/8以上は25.4mmにつき山数を8山(8UN)

メートルねじの場合、細目ねじのM30以上はねじのピッチを3mmとしています。

長さ

JPI規定ではボルト長さの決め方の規定があり、フランジ寸法表に参考寸法として長さを表示しています。

ボルト長さは、ユーザーの判断で多少の長短があってもよいこととなっています。

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

-エンジニアの知恵袋

© 2024 ハジイチ☆メモ