こんにちは、ハジイチです。
配管応力計算をするにあたって、必ず出てくる配管伸縮継手。
配管の伸縮継手はどのように使い分けするのかをまとめてみました。
参考にして頂けたら幸いです。
目次
配管の伸縮継手をどのように使い分けするのか
配管で伸縮継ぎ手を用いる場合、大きく分けて二つの目的。
- 配管の熱伸縮を吸収させること。
- 地
盤沈下などによるノズルとサポート間の相対変異を吸収させること。
配管の熱伸縮を吸収させる目的の場合
主に軸方向伸縮継ぎ手あるいはヒンジ
軸方向伸縮継ぎ手
軸方向伸縮継ぎ手の基本構造は、ベローと短管の組み合わせ。
- ベローのみで構成された単純な形状のもの。
- ベローの周囲にガ
イドボルトを設置して補強したもの。 - さらに耐圧性を高めるためにベローの周囲
をリングで補強したもの。
がある。
耐圧性能は、ベローのみのものが最も低く、ベローの周囲をリング
0.1 ~ 0.3 MPa
1MPaくらいまで
10 ~ 20 MPa くらいまで使用可能です。
使用圧力と温度については、メーカーによって相違
いずれの形式の伸縮継ぎ手も、配管の熱膨張時に継ぎ手部での座屈

図1 配管軸方向伸縮継手を使用する配管サポート例
図1にサポートの配置例を示す。
ヒンジ タイプの伸縮継ぎ手
ヒンジタイプ継ぎ手は、ベローの両端に取り付けられたヒンジアー
このヒンジアームは、内圧による推力を拘束する役割も果たしている。
ベローの周囲に取り付けられたガイドボルトは、ピンまわりの回転動作時に
この継ぎ手は、狭いスペースで大きな配
耐圧性能は、20 MPa くらいのかなりの高圧まで、流体温度は、LNG の超低温からスチームのような高温までの広い範囲で使用で
きる。

図2 ヒンジタイプ継手の構造と動作の説明
図2 ヒンジタイプ継手の構造と動作の説明を示す。

図3 ヒンジタイプ継手のに使用例
図3 に使用例を示す。
いずれも配管の形状とサポート配置の組み合わせが重要で、配管ル
比較検討の項
(1) 配管ループ設置場所の有無
単に物理的なスペースの有無だけではなく、メンテナンス・運転時
通常プロセスプラントの
(2) コスト
単に伸縮継ぎ手の価格と配管材料のコストのみの比較だけではなく
軸方向伸縮継ぎ手の場合、アンカーに大きな反力が作用す
地 盤沈下などによるノズルとサポート間の相対変異を吸収させる目的の場合
フレキシブルメタルホースとユニバーサルジョイントが用いれらます。
フレキシブルメタルホース
フレキシブルメタルホースは、ステンレスベローの外側を密に編み
耐圧性能は、1MPa程度までの中圧で

図 4 メタルホースの構造説明
図 4にメタルホースの構造説明を示す

図 5 メタルホース使用例
図 5 に使用例を示す。
メタルホースは、おおむね 400 A ~500 Aまでの呼び径が製作されている。

フレキシブルメタルホース
ユニバーサルジョイント
ユニバーサルジョイントは、2組のベローと短管の組み合わせで構
フレキシブルメタルホースと同様に、ベローの角度変化によって相
使用方法はフレキシブルメタルホースと同様で、タンクの
タイロッドは、内圧によるベロー推力を拘束する役割
耐圧性能はフレキシブルメタルホースよりも高く、10 MPa程度の高圧域まで使用できる。

図 ユニバーサルジョイントの構造説明
図6 にユニバーサルジョイントの構造説明を示す。

図7 ユニバーサルジョイントの使用例
図 7 ユニバーサルジョイントの使用例を示す。
フレキシブルメタルホースおよびユニバーサルジョイントともに地
タ
まとめ
配管応力計算をするにあたって、必ず出てくる配管伸縮継手。
配管の伸縮継手はどのように使い分けするのかをまとめてみました。
